そんな中、埼玉県に異色のピッチャーがいるとニュースになっています。
埼玉、所沢商業・増田一樹投手。
エースナンバーをつけたその選手は何と両手投げ。
登録はあっても実際に投げることは極めて珍しいスイッチピッチャーの登場に、埼玉の予選は盛り上がりそうです。
所沢商の左右両投げ(スイッチピッチャー)エース 増田
埼玉の所沢商は夏に3度の甲子園出場経験のある名門。
その名門校にスイッチピッチャーのエースが存在していました。
増田一樹投手(3年)。
そもそもは右投げだったのですが、右肘を故障しまったことで左投げを練習し始め、その故障が完治したことで左右両投げ投手となったようです。
しかし左右両投げと言っても実践で通用するようなレベルなの?と思う人がほとんどだと思いますが、その実力は中々なもの。
右はオーバースローで最速138キロの速球にスライダーを交えた力勝負。左ではサイドスローで130キロの速球と、スライダー、チェンジアップを持つ軟投派に変身。
どちらでも勝負できる完全なスイッチピッチャーなのです。
所沢商は埼玉県では常にベスト4、ベスト8にはなる強豪高校。
その点から見ても、甲子園への道はかなり可能性が高いようです。
埼玉大会、所沢商の初戦は7月11日に児玉高校と戦う予定。
強豪ひしめく埼玉ですが、勝ち進んんでぜひ甲子園にその勇姿を見せて欲しいですね。
ちなみにスイッチピッチャー用のグローブは6本指となっていて、左右のバランスが同じ造りになっているようです。
日・米プロ野球のスイッチピッチャーは?
メジャーリーグでは19世紀にトニー・マレーン、ラリー・コーコラン、エルトン・チェンバレンの3人が、それ以降ではグレッグ・ハリス1人しか公式戦での登板が記録されていないそうです。
グラブをつけずに投げていた投手も多かった時代だそうなので、かなり古い時代のものですね。
日本のプロ野球では、公式戦で左右投げが披露されたことはないそうです。
両投げで登録された選手自体もたった1人で、近田豊年投手のみ。
しかし、近田投手の右投げは実際の試合で通用する水準ではなかったそうで、公式戦では左でしか投げなかったとか。
近田豊年
1965年生まれ、高知県出身。
名門・明徳義塾出身で、本田技研からドラフト外で南海ホークスへ。
福岡ダイエーホークス、阪神タイガースと経て1991年に引退。
そんな超希少種であるスイッチピッチャー。
まずお目にかかることはないでしょうから、実際に登板している映像がありますのでその動画をどうぞ。
投げていると言うよりは、スイッチピッチャーとスイッチヒッターの対決で、右か左か堂々巡りとなっているお笑いのようなものですが・・・。
08年6月19日、米国のマイナーリーグでおこった珍事。
パット・ベンディット投手(ヤンキース傘下1Aスタテンアイランド)対、ラルフ・エンリケス(ブルックリン・サイクロンズ)
最後は審判が打者に打席を選択するよう指示し、右対右の対決となり、ベンディットが三振を奪ったようです。
中々見れない超貴重な映像でしたね。
しかし、今回、所沢商が甲子園に出場すれば、エース増田投手の両投げを見ることができます。
まず見る事の出来ないシーンを夏の甲子園で見ることができるのです。
その瞬間を期待して、みなさんで所沢商を応援しましょう!!