アイルランド(イギリス)のダブリンで、ソウルバンド組んだ若者たち(一人は年配)の青春と、成功、挫折を描いた映画です。
もともとブルースやソウルが好きだった私には、この映画・・・と言うよりは、アンドリュー・ストロングの歌声とキャラクターに惚れ込んでしまいました。
サントラがまたカッコイイんです!!
映画「ザ・コミットメンツ」がカッコイイ!!
ストーリーはごく単純です。
バンドで成功することを夢見る青年が、ダブリンの街でメンバーを探し、紆余曲折ありながらもメジャーデビューを目指していく姿を映しだしていきます。
この映画で好きな所は?と言われると、それは音楽以外の何ものでもありません。
ストーリーは単純だし役者も誰だか分からない。
途中、トランペッターのジョーイが爺さんのクセに、バンドの若い女の子2人に手を出していたことにでビックリするくらい。
この映画はストーリーをどうこう言ってはいけません。
どうこう言うべきは、バンド「ザ・コミットメンツ」のボーカルを務める”デコ”(アンドリュー・ストロング)についてです。
そして、答えは”カッコイイ”と言うこと。
ボーカリスト アンドリュー・ストロング
前述で、アンドリュー・ストロングが”カッコイイ”と言いましたが、けっして容姿の事ではありません。
愛嬌はありますが、実際は”カッコイイ”とは逆の”ブサイク”な容姿。
しかし、”ガツンッ!”ときます!!
歌い始めると思いっきり”ガツンッ!”ときます。
あまりにもソウルフルな歌声に、歌うために生まれてきたのかと。
(それだけ容姿は残念なのですが・・・。)
映画では、まずはしょっぱな「ムスタングサリー」にやられちゃいます。
(ウィルソン・ピケット ※アメリカのソウル/R&Bシンガー・1966年に発表)
”ムスタングサリー~♪ イェエ~!♪”
ブサイクと言える顔からいきなりハートにガツン!とくる歌声で、
「何だコイツは!・・・。スゲェ・・・。」
と、今までのイメージから打って変わって憬れへと変わります。
そして「イン・ザ・ミッドナイト・アワー」、「ダンス天国」(ウィルソン・ピケット)でそのソウル・パワーは増していき、最後は私の一番好きな曲。。
「トライ・ア・リトル・テンダネス」
この曲は多くの人にカバーされていて、一躍有名にしたのはオーティス・レディングですが、あのフランク・シナトラも歌っています。
歌い出しのゆっくりした所から、サビのシャウトする情熱的な所まで、アンドリュー・ストロングは見事に自分の歌として歌い上げています。
映画では結局夢半ばでバンドは解散していくのですが、現実こんなことは沢山あるのでしょう。
才能があっても運に恵まれない。もしくは何かが足りない。
アンドリュー・ストロングのその後
映画「ザ・コミットメンツ」にハマった後、サントラVol.1、Vol.2ともに聴きこんでいましたが、やっぱりと言うべきか、当然と言うべきか、アンドリュー・ストロングはソロデビューを果たしました。
すぐさま私はファーストアルバムを買い、大きな期待と共に再生しました。
しかし、それは期待していたものとは違います。
1960年代のソウルを再現するわけでは無いのです。
自分の歌を歌うアンドリュー・ストロングは、私の求めているものとは違いました。
そのアルバムは一度サラッと聴いてみて、その後は1度も聴いてません。
「ザ・コミットメンツ」のサントラは稀に聴くことはありますが。
アンドリュー・ストロングもしばらく活動は続けていたんでしょうが、現在はどうしているのか・・・?
作る側はどんどん成長し変わって行くのですが、聴く側は同じものを求めます。
皆さんもそうでしょうが、音楽ってそんなもんです。
好きだった頃の音楽を聴いているのが一番良いんです!
好きな音楽、懐かしい音楽
音楽ってその時、その状況で感じたもの。
聴く側の勝手です。
そして作る側も自分の作りたいものを作る。
ずっと好きなまま期待通りに行くわけはありません。
私の好きな「ザ・コミットメンツ」の中のアンドリュー・ストロングは、サントラの中に居てそれ以外には居ないのです。