セレクトセールで3億6000万円の高値をつけた
ラストグルーヴが1戦1勝で引退します。
超良血馬は今後繁殖牝馬として、次代のスターホース誕生に夢を託します。
エアグルーヴ産駒ラストグルーヴ引退
2011年のセレクトセールで1歳馬の史上最高額となる3億6000万円の高値をつけたラストグルーヴ(牝4歳、栗東・藤原英昭)が、3月7日付で登録を抹消しました。
戦績は1戦1勝で、去年の3月に阪神新馬戦を完勝しながらも引退。
体質の弱さが原因となったようです。
今後はその良血から、繁殖牝馬として期待がかかります。
父は7冠馬ディープインパクトで、母は昨年4月に死亡した名牝エアグルーヴ。
異父姉にはエリザベス女王杯を連覇(03~04年)したアドマイヤグルーヴ。
半兄には12年の香港G1・クイーンエリザベス2世Cを勝ったルーラーシップがいます。
母・エアグルーヴの産駒は現1歳のキングカメハメハ産駒が最後。
この馬には相当の期待がかかりそうですね。
セレクトセールで3億6000万円もの高額で落札しながらも、
新馬1勝で引退では大損!と思いますが、
今後の繁殖牝馬としての価値を考えるとどうにかなるのでしょう。
良血馬を売買するセレクトセール
ラストグルーヴは3億6000万円でしたが、
歴代のセレクトセール高額落札馬を見ていくと凄い金額が並んでいます。
2013年までの歴代高額落札馬リスト
ディナシー 6億0000万円
ザサンデーフサイチ 4億9000万円
ラストグルーヴ 3億6000万円
トーセンダンス 3億3500万円
フサイチジャンク 3億3000万円
等々。
毎年のように数億の馬が取引されています。
セレクトセールとは?
日本競走馬協会が主催する世界でも有数のサラブレッドセール。
これまでのせり市には登場することのなかった良質馬を中心に、自由競争による取り引きを行っています。
サラブレッド流通の活性化を図ることを目的に開かれました。
セレクトセールは毎年7月に開催され、良血馬が数多くせりに出されます。
大種牡馬サンデーサイレンスの血を引く後継種牡馬産駒など、
日本でしか手に入らない良血馬もいるので、海外からも注目されています。
セレクトセール取引馬 主な成績
1998年に初開催されたセレクトセール。
これまでに多数のGIばを輩出してきましたが、その中でも超優秀な馬は以下のとおり。
2001年 セレクトセール馬初のG1ウイナーが誕生。
マンハッタンカフェ 第62回菊花賞、第46回有馬記念を制覇 。
2003年
アドマイヤグルーヴ 第28回エリザベス女王杯を制覇。
2004年
セール取引馬から初のダービー馬が誕生。
キングカメハメハ 第9回NHKマイルカップ、第71回日本ダービーを制覇。
アドマイヤグルーヴ 第29回エリザベス女王杯を制覇。
ゼンノロブロイ 第130回天皇賞・秋、第24回ジャパンカップ、第49回有馬記念を制覇。
2005年
ディープインパクト 第65回皐月賞、第72回日本ダービー、第66回菊花賞制覇、21年ぶり史上2頭目の無敗の三冠馬に輝く。
2006年
ディープインパクト 第133回天皇賞・春 、第47回宝塚記念、第26回ジャパンカップ 、第51回有馬記念を制覇 。
2007年
アドマイヤムーン 第12回ドバイ・デューティ・フリー(G1)、第48回宝塚記念、第27回ジャパンカップを制覇。 2008年
カネヒキリ 第9回ジャパンカップダート、第54回東京大賞典を制覇。 2011年
カレンチャン 第45回スプリンターズステークス制覇。
2012年
カレンチャン 第42回高松宮記念制覇。
他、これまでGI馬多数うまれました。
超良血ラストグルーヴ
ディープインパクトは言わずと知れた名馬ですが、
母・エアグルーヴも歴史に残る名牝馬。
エアグルーヴ
父トニービンは、サンデーサイレンスに並ぶ名種牡馬。
母ダイナカールも優駿牝馬(オークス)を制していて、
母娘2代での優駿牝馬の制覇を成し遂げています。
生涯成績 19戦9勝
獲得賞金 8億2196万6000円
勝ち鞍 優駿牝馬(1996年)天皇賞(秋)(1997年)等
エアグルーヴは2013年4月に、キングカメハメハの牡馬を出産した後、内臓出血で息を引き取りました(20歳)。
牡馬と激闘を繰り広げ「女帝」と呼ばれたエアグルーヴ。
ラストグルーブはその産駒として、繁殖牝馬での人気も高くなるでしょう。
でも競馬ファンは、ディープインパクト×エアグルーヴの、
ラストグルーヴ自身が名牝となってくれるのを期待していたのでしょうが、
そううまくはいかないものです。